ハルさん家には、雑誌がいっぱい。

雑誌を中心にZINEやパンフレットなど、心揺さぶられた作品を紹介していきます。

女性編集者が、自ら命を断つその日までを記した日記『八本脚の蝶』

“二十歳まで生きる。”

これは、自分が小学6年生の頃に掲げた、人生最大の目標だった。

 

「二十歳で死ぬってかっこいい。」半分。

「自分がまだ知らない楽しいことを、知らずに死んでたまるか。」半分。

死に憧れたり、反動で生きたり。

 

そうやってなんとなく生きているうちに、ついに二十歳が目の前まで迫ってきた。

不安しかなかった。

小学生以来、二十歳より先を生きた自分を想像するなんて、全くなかったんだもの。

“早く死ななければ”

 

そんなときに出会ったのが、

ブログ 八本脚の蝶だった。

 

雑誌『This!』で紹介されているのを読んで、“運命の出会い”を感じてしまった。

 

そこには、二階堂奥歯さんという女性編集者さんの約2年分の日記があった。

お洒落が好きで、それ以上に物語を愛する女性

そんな、”本の虫”とまで言われるほど膨大な本を読んだ彼女が、自ら命を断つその日まで記し続けた日記が、いまもサーバーに残り続けている。

 

ブログを開くと、いきなり彼女の最後の日の言葉が出てくる。

それがあんまりにも柔らかくて、美しい日本語なものだから、思わずうっとりしてしまった。

 

いつ読めなくなるかわからない。

"手元に置いておかねば。"

書籍化されているのを知った自分は、すぐに本を買った。

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ちなみに、自分が買ったのは、こちらではなく、絶版中のハードカバー。

こちらもとっても素敵な表紙なんだ。

大切な宝物

 

本が届いたその日から、さっそく読み始めた。

 

そこには、洋服、コスメ、観た映画・足を運んだ展示会の感想などなど。

二十歳以上の人生を考えられなかった自分にすら

“こんな20代、いいかもしれない。”

なんて思わせてくれる、キラキラとした女の子の日記があった。

 

“なんて可愛らしい人なんだろう。”

素直にそう思った。

 

だけれど。

だんだん、そんな女の子の姿が薄れていく。

 

貞操マゾヒズムセクサロイドキリスト教

 

これが24.5歳の女性が書いた日記なんだろうか。

 

読むスピードが落ちた。

 

世界に怯える彼女の言葉が、自分にも重くのしかかった。

 

 

怖がりで痛がりな彼女は、薬を使っても死ななかったという。

首をつっても、心電図が乱れるだけで、身体はぴんぴんしていると。

“自殺は向いてない”

自らそう認めると、今度は飛び降り自殺を考えていた。

 

そして、命を断つ最後のときまで、彼女は悩んでいた。

 

 

ある日のブログで、「私を読んで」と記してあった。

 

そうして、今。

自らを一冊の物語に例えた彼女の言葉たちは、実際にになっている。

 

きっと、私はこの本を、自分なりの解釈が見つかるまで、何度も繰り返し読むんだと思う。

 

小学6年生の自分が掲げた目標のために。

 

でも、結局二十歳までには見つけられなかった。

そうやって理由をつけて、”二十歳まで生きる”という目標は更新され続けるんだろうなあ。

 

現に、今年23歳を迎える自分の目標は

“27歳まで生きる。”

になってしまっている。

 

伸ばしすぎかな。

でも、”いい女”ってやつをちょっぴり目指してみたくなったんだ。

つって。

 

そんな馬鹿みたいなこと言いながら、

今日も彼女が最後の夜に見た、「綺麗な世界」に憧れる。

そして、見れない未来を惜しむんだ。 

 

ではでは、また。

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